問題:
搬送波周波数 \(f_c = 100\) MHz、変調信号周波数 \(f_m = 1\) kHz、変調指数 \(\beta = 1\) のFM信号について:
解答:
変調指数 \(\beta = 1\) の場合、ベッセル関数の値は:
主要な周波数成分:
問題:
搬送波周波数 \(f_c = 50\) MHz、変調信号周波数 \(f_m = 2\) kHz、変調指数 \(\beta = 0.5\) の狭帯域FM信号について:
解答:
変調指数 \(\beta = 0.5\) の場合、ベッセル関数の値は:
AM信号との違い:
問題:
搬送波周波数 \(f_c = 88\) MHz、変調信号周波数 \(f_m = 5\) kHz、変調指数 \(\beta = 3\) の広帯域FM信号について:
解答:
変調指数 \(\beta = 3\) の場合、ベッセル関数の値は:
主要なサイドバンド:
注意: 搬送波成分が負の値になっているのは、\(J_0(3) < 0\)のためです。これは位相が180°反転していることを意味します。
問題:
FM信号で最大周波数偏移 \(\Delta f = 75\) kHz、変調信号周波数 \(f_m = 15\) kHzの場合:
解答:
1. \(f_m = 15\) kHzの場合:
2. 帯域幅(カーソンの法則):
3. \(f_m = 1\) kHzの場合:
重要: 変調指数は変調信号周波数に反比例します。低い変調周波数では変調指数が大きくなり、より多くのサイドバンドが生成されます。
問題:
FM信号において搬送波成分が完全に抑制される条件について:
ヒント: ベッセル関数の零点を利用せよ
解答:
搬送波成分が抑制される条件は \(J_0(\beta) = 0\) です。
1. 搬送波抑制の変調指数:
2. β = 2.405でのベッセル関数値:
3. 実用上の意義:
問題:
2つの正弦波で同時変調されるFM信号を考える:
ここで、\(f_1 = 1\) kHz、\(f_2 = 3\) kHz、周波数偏移感度 \(k_f = 50\) kHz/Vとする。
解答:
1. 各変調信号の変調指数:
2. スペクトル特性:
3. 必要帯域幅:
各変調信号に対してカーソンの法則を適用:
問題:
同じ正弦波変調信号 \(m(t) = \cos(2\pi f_m t)\) で変調された場合のPM信号とFM信号を比較せよ。
条件: \(f_m = 2\) kHz、PM信号の変調指数 \(\beta_{PM} = 2\)、FM信号の周波数偏移 \(\Delta f = 4\) kHz
解答:
1. 変調指数:
2. スペクトルの違い:
この条件下では、両信号の変調指数が等しいため、スペクトルは完全に同一です。
3. 必要帯域幅:
4. 変調信号周波数変化の影響:
重要な違い:
問題:
FM放送で使用されるプリエンファシス回路について:
時定数 \(\tau = 75\) μsのプリエンファシス回路を通した音声信号でFM変調する場合を考える。
解答:
1. プリエンファシス回路の周波数特性:
簡単化すると:
プリエンファシス回路は高周波数成分を強調し、低周波数成分を抑制します。
この処理により、FM変調時の高周波数成分が強調され、雑音の影響を受けにくくなります。
2. 変調指数の比:
変調指数の比は:
つまり、1 kHzの信号は10倍の変調指数を持ちます。
プリエンファシス回路により、低周波数成分の変調指数が高くなり、高周波数成分の変調指数が低くなります。
3. スペクトル分布の変化:
4. なぜこの処理が必要か: