中学・高校・大学・単位落とした人も分かるステップ解説
時計の針が「どこを指しているか」が「位相」。針の位置を変える=位相変調!
例えば、目覚まし時計の針が「6時」から「7時」にずれると、起きるタイミングが変わる。PMはこの「タイミングのズレ」を使って情報を送る。
波の山や谷の位置が「情報」によって左右にずれる。
たとえば、音楽のリズムが早くなったり遅くなったりする感じ。
波の山や谷の位置をずらすことで情報を伝える。
たとえば、友達とジャンプするタイミングをずらすと、合図になる。
FMは「波の速さ(周波数)」を変える、PMは「波のタイミング(位相)」を変える。
PMはデジタル通信や衛星通信など、雑音に強い場面で使われる。
波の山や谷の位置が情報によってずれる様子をアニメーションで表示します。
$$s(t) = A \cos(2\pi f_c t + k_p m(t))$$
$A$:振幅, $f_c$:搬送波周波数, $k_p$:位相感度, $m(t)$:情報信号
つまり、2\pi f_c tが搬送波、m(t)が情報信号です。
まず、通常の波(搬送波)は $A \cos(2\pi f_c t)$ で表されます。
ここに「情報信号 $m(t)$」を加えて、波のタイミング(位相)をずらすと、
$$s(t) = A \cos(2\pi f_c t + k_p m(t))$$となります。
この $k_p m(t)$ が「情報によるズレ」を作り出します。
波の山や谷の位置がずれる=情報が載る。
たとえば、$m(t)$が大きいときほど波のタイミングが大きくズレる。
PMの微分がFMになる(数学的に密接な関係)。
FMは「周波数=位相の変化率」なので、PMの位相を微分するとFMになる。
下のアニメーションで、波の山や谷が左右にズレる様子を観察しよう。
PMのスペクトルは、主搬送波の周りにサイドバンド(側波帯)が現れる。
これは情報信号の周波数成分が波に乗るため。
PMのスペクトル分布(主搬送波+サイドバンド)を図示します。
$$s_{PM}(t) = A \cos(2\pi f_c t + k_p m(t))$$
$$s_{FM}(t) = A \cos\left(2\pi f_c t + k_f \int m(t) dt\right)$$
PMは情報信号$m(t)$に比例して位相が変化、FMは$m(t)$の積分に比例して位相が変化
この違いがPMとFMの数式の最大のポイントです。
PMの帯域幅は変調指数と情報信号の最大周波数で決まる。
$$ B_{PM} \approx 2(1 + k_p)f_m $$
PM→FM変換(微分回路)→FM検波器で復調
または位相検波器(PLL)で直接復調
PMはデジタル通信(QPSKなど)、衛星通信、無線LANなどで使われる。
雑音に強く、誤り訂正技術と組み合わせやすい。
方式 | 変調対象 | 雑音耐性 | 主な用途 |
---|---|---|---|
AM | 振幅 | 弱い | ラジオ放送 |
FM | 周波数 | 強い | FMラジオ |
PM | 位相 | 強い | デジタル通信・衛星通信 |
PMは「波のタイミング(位相)」をずらして情報を送る方法。
FMは「波の速さ(周波数)」を変える方法。
たとえば、友達とジャンプするタイミングをずらすと「合図」になる。これがPMのイメージ。
青:AM、オレンジ:FM、緑:PM。PMは波の山や谷の位置がズレる!
「波のタイミングが変わる」=PMと覚えよう!
難しい式は後回しでOK。
FMは「速さ」、PMは「タイミング」
FMは波の速さが変わる、PMは波の位置がズレる。
PMは雑音に強いので、デジタル通信や衛星通信でよく使われる。
「ジャンプのタイミング」「拍手のタイミング」など、タイミングのズレが合図になる場面はPMのイメージ。
(Wikipediaより)
項目 | FM(周波数変調) | PM(位相変調) |
---|---|---|
共通点 | ・どちらも「角変調」 ・雑音に強い ・搬送波の性質を変えて情報を載せる ・AMより高品質な通信が可能 | |
変調する対象 | 周波数 | 位相 |
数式 | $s_{FM}(t) = A \cos(2\pi f_c t + k_f \int m(t) dt)$ | $s_{PM}(t) = A \cos(2\pi f_c t + k_p m(t))$ |
情報信号の扱い | 積分して位相に反映 | 直接位相に反映 |
主な用途 | FMラジオ、無線通信 | デジタル通信、衛星通信 |