📐 PM(位相変調)完全ガイド

中学・高校・大学・単位落とした人も分かるステップ解説

🎓 中学生レベル 🏫 高校生レベル 🎓 大学生レベル 😅 単位落とした人用

🎓 中学生レベル:PMって何?

⏰ 時計の針で考える

時計の針が「どこを指しているか」が「位相」。針の位置を変える=位相変調!

例えば、目覚まし時計の針が「6時」から「7時」にずれると、起きるタイミングが変わる。PMはこの「タイミングのズレ」を使って情報を送る。

🌊 波のイメージ

波の山や谷の位置が「情報」によって左右にずれる。
たとえば、音楽のリズムが早くなったり遅くなったりする感じ。

PM波形イメージ

1. 波の「タイミング」をずらす

波の山や谷の位置をずらすことで情報を伝える。
たとえば、友達とジャンプするタイミングをずらすと、合図になる。

2. FMとの違い

FMは「波の速さ(周波数)」を変える、PMは「波のタイミング(位相)」を変える。

3. PMの使われ方

PMはデジタル通信や衛星通信など、雑音に強い場面で使われる。

PM波形のイメージ

波の山や谷の位置が情報によってずれる様子をアニメーションで表示します。

💡 まとめ

  • PMは「波のタイミング」を使って情報を送る方法!
  • FMは「波の速さ」を変える方法!
  • 日常の合図やリズムのズレもPMのイメージ。

Q&Aで復習!

  • Q: PMは何を変える?
    A: 波のタイミング(位相)
  • Q: FMとの違いは?
    A: FMは速さ(周波数)、PMはタイミング(位相)
  • Q: どんな場面で使われる?
    A: 雑音に強い通信(デジタル・衛星など)

🏫 高校生レベル:PMの数式とスペクトル

PMの基本式

$$s(t) = A \cos(2\pi f_c t + k_p m(t))$$

$A$:振幅, $f_c$:搬送波周波数, $k_p$:位相感度, $m(t)$:情報信号

式の各項の意味:
  • A:波の高さ(振幅)
  • 2\pi f_c t:搬送波の「基本的な波の動き」
    ($f_c$は搬送波周波数、$t$は時間)
  • k_p m(t):情報信号による「位相のズレ」
    ($m(t)$が情報、$k_p$はどれだけ位相が動くかの係数)

つまり、2\pi f_c tが搬送波、m(t)が情報信号です。

PM式の導出(高校生向け)

まず、通常の波(搬送波)は $A \cos(2\pi f_c t)$ で表されます。
ここに「情報信号 $m(t)$」を加えて、波のタイミング(位相)をずらすと、
$$s(t) = A \cos(2\pi f_c t + k_p m(t))$$となります。

この $k_p m(t)$ が「情報によるズレ」を作り出します。

1. 位相が変わるとどうなる?

波の山や谷の位置がずれる=情報が載る。
たとえば、$m(t)$が大きいときほど波のタイミングが大きくズレる。

2. FMとの関係

PMの微分がFMになる(数学的に密接な関係)。
FMは「周波数=位相の変化率」なので、PMの位相を微分するとFMになる。

3. PMの波形例

下のアニメーションで、波の山や谷が左右にズレる様子を観察しよう。

4. PMのスペクトル

PMのスペクトルは、主搬送波の周りにサイドバンド(側波帯)が現れる。
これは情報信号の周波数成分が波に乗るため。

PMスペクトルのイメージ

PMのスペクトル分布(主搬送波+サイドバンド)を図示します。

💡 まとめ

  • PMは「波の位相」を変えて情報を伝える。
  • 数式で表すと $s(t) = A \cos(2\pi f_c t + k_p m(t))$。
  • FMは「周波数」を変えるが、PMは「タイミング(位相)」を変える。

Q&Aで復習!

  • Q: PMの式で情報信号はどこ?
    A: $k_p m(t)$ の部分
  • Q: FMとの違いは?
    A: FMは $m(t)$ を積分して位相に反映
  • Q: PMのスペクトルはどうなる?
    A: 主搬送波の周りにサイドバンドができる

🎓 大学生レベル:PMの理論・検波・他変調との比較

PMとFMの関係

$$s_{PM}(t) = A \cos(2\pi f_c t + k_p m(t))$$

$$s_{FM}(t) = A \cos\left(2\pi f_c t + k_f \int m(t) dt\right)$$

PMは情報信号$m(t)$に比例して位相が変化、FMは$m(t)$の積分に比例して位相が変化

FMで積分する理由:
  • FMは「周波数」を変調する方式。周波数は「位相の時間微分」なので、\( m(t) \) を積分して位相に反映させる。
  • つまり、
    $$ \int m(t) dt $$ が「周波数変化を位相に変換」する役割。
  • PMは情報信号 \( m(t) \) が直接位相に反映されるが、FMは「周波数=位相の変化率」なので積分が必要。

この違いがPMとFMの数式の最大のポイントです。

PM式の厳密導出

  1. まず、搬送波のみの式は
    $$c(t) = A \cos(2\pi f_c t)$$
  2. ここに情報信号 $m(t)$ を「位相」に加えると、
    $$s(t) = A \cos(2\pi f_c t + k_p m(t))$$
  3. $k_p$ は「位相感度」で、$m(t)$の値が大きいほど位相のズレも大きくなる。
  4. FMの場合、周波数 $f(t)$ は位相の微分:
    $$f(t) = \frac{1}{2\pi} \frac{d\phi(t)}{dt}$$
    なので、$m(t)$を積分して位相に反映する必要がある。

1. PMの帯域幅

PMの帯域幅は変調指数と情報信号の最大周波数で決まる。

$$ B_{PM} \approx 2(1 + k_p)f_m $$

2. PMの検波方法

PM→FM変換(微分回路)→FM検波器で復調
または位相検波器(PLL)で直接復調

PM検波回路例:
位相検波器ブロック図
(Wikipediaより)

3. PMの応用例

PMはデジタル通信(QPSKなど)、衛星通信、無線LANなどで使われる。
雑音に強く、誤り訂正技術と組み合わせやすい。

4. FM/AM/PMの比較

方式変調対象雑音耐性主な用途
AM振幅弱いラジオ放送
FM周波数強いFMラジオ
PM位相強いデジタル通信・衛星通信

💡 まとめ

  • PMはFMと密接な関係があり、応用範囲も広い。
  • 検波はFM検波器やPLLで可能。
  • 帯域幅や雑音耐性も理解しよう。

Q&Aで復習!

  • Q: PMとFMの数式の違いは?
    A: FMは $m(t)$ を積分して位相に反映
  • Q: PMの帯域幅は何で決まる?
    A: 変調指数と情報信号の最大周波数
  • Q: PMの応用例は?
    A: デジタル通信、衛星通信、無線LANなど

😅 単位落とした人用:PMを一から

🤝 まずは「波のタイミング」だけ覚えよう!

PMは「波のタイミング(位相)」をずらして情報を送る方法。
FMは「波の速さ(周波数)」を変える方法。

たとえば、友達とジャンプするタイミングをずらすと「合図」になる。これがPMのイメージ。

PMのイメージ図解

PM波形イメージ

青:AM、オレンジ:FM、緑:PM。PMは波の山や谷の位置がズレる!

1. 式は気にしなくてOK

「波のタイミングが変わる」=PMと覚えよう!
難しい式は後回しでOK。

2. FMとの違いだけ意識

FMは「速さ」、PMは「タイミング」
FMは波の速さが変わる、PMは波の位置がズレる。

3. PMの使われ方

PMは雑音に強いので、デジタル通信や衛星通信でよく使われる。

4. 例え話で覚えよう

「ジャンプのタイミング」「拍手のタイミング」など、タイミングのズレが合図になる場面はPMのイメージ。

💡 まとめ

  • PMは「タイミング変化」で情報を送る。まずはイメージでOK!
  • FMは「速さ変化」で情報を送る。
  • 雑音に強いのがPMの特徴。

Q&Aで復習!

  • Q: PMは何を変える?
    A: 波のタイミング(位相)
  • Q: FMとの違いは?
    A: FMは速さ(周波数)、PMはタイミング(位相)
  • Q: どんな場面で使われる?
    A: 雑音に強い通信(デジタル・衛星など)

PM・FM・AMの違いを図で!

AM/FM/PM波形比較

(Wikipediaより)

FMとPMの共通点・相違点まとめ

項目FM(周波数変調)PM(位相変調)
共通点・どちらも「角変調」
・雑音に強い
・搬送波の性質を変えて情報を載せる
・AMより高品質な通信が可能
変調する対象周波数位相
数式$s_{FM}(t) = A \cos(2\pi f_c t + k_f \int m(t) dt)$$s_{PM}(t) = A \cos(2\pi f_c t + k_p m(t))$
情報信号の扱い積分して位相に反映直接位相に反映
主な用途FMラジオ、無線通信デジタル通信、衛星通信
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