🎯 このページの目的
このページは、講義を休んだ友達や再履修の方にも分かりやすいように、メモリの種類について基礎から詳しく解説しています。SRAM、DRAM、ROM、EEPROMなど、試験に出る重要なメモリの違いをしっかり理解しましょう!
💾 メモリとは?
メモリ(記憶装置)とは、コンピュータがデータや命令を保存するための装置です。大きく分けて以下の2つに分類されます:
メモリの基本分類
メモリ
↓
RAM(Random Access Memory)
一時的な記憶
vs
ROM(Read Only Memory)
永続的な記憶
🔑 重要ポイント:
- RAM:電源を切るとデータが消える(揮発性メモリ)
- ROM:電源を切ってもデータが残る(不揮発性メモリ)
� ビットとワードの違い
ビット(bit)とワード(word)の関係
→
→
1ワード(16/32/64ビット)
CPUが一度に
処理する単位
🔍 重要な違い
- ビット(bit): Binary digIT の略。0か1の最小情報単位
- バイト(byte): 8ビットのセット。文字1個分
- ワード(word): CPUが一度に処理できるビット数の単位
- 例: 32ビットCPU → 1ワード = 32ビット = 4バイト
🗺️ メモリ種類マッピング図
不揮発性 vs 書き込み能力 マッピング
不揮発性(データ保持能力)
高
低
書き込み能力
低
高
組み込み書き込み境界
複数ビット書き込み境界
書き込み回数制限境界
→
↑
📍 境界線の意味
- 🟠 組み込み書き込み境界: システム内部で書き込み可能かどうか
- 🟢 複数ビット書き込み境界: バイト/ブロック単位で書き込み可能
- 🔴 書き込み回数制限境界: 無制限か制限ありか
💡 マッピングの読み方
- 右上: 高速で書き換え可能だが揮発性(RAM系)
- 左上: データ保持力が高いが書き換え困難(ROM系)
- 右上への移動: 技術進歩により書き込み性能向上
�🚀 RAM(Random Access Memory)の種類
📋 SRAM(Static RAM)
特徴:
- 6個のトランジスタで1ビットを記憶
- リフレッシュ(更新)が不要
- 高速だが高価
- キャッシュメモリに使用
🔄 DRAM(Dynamic RAM)
特徴:
- 1個のトランジスタと1個のキャパシタで1ビットを記憶
- 定期的なリフレッシュが必要
- 大容量で安価
- メインメモリに使用
覚え方: SRAM = Static(静的)= リフレッシュ不要、DRAM = Dynamic(動的)= リフレッシュ必要
🔒 ROM(Read Only Memory)の種類
🏭 マスクROM
特徴:
- 製造時に配線パターンでデータを記録
- 0と1を物理的な配線の有無で表現
- 一度製造すると変更不可
- 大量生産に適している
🔧 どうやって0と1を記憶するの?
マスクROMでは、製造時に配線を「つなぐ」か「つながない」かで0と1を表現します。例えば:
この配線パターンは半導体製造時のマスク(型版)で決まるため、「マスクROM」と呼ばれます。
🔌 PROM(Programmable ROM)
特徴:
- 製造後に一度だけプログラム(書き込み)可能
- ヒューズを焼き切ることでデータを記録
- 一度書き込むと変更不可
💡 EPROM(Erasable PROM)
特徴:
- 紫外線でデータを消去可能
- 石英窓付きパッケージ
- 消去後は再プログラム可能
- 現在はほとんど使われない
⚡ EEPROM(Electrically Erasable PROM)
特徴:
- 電気的にデータの消去・書き込みが可能
- バイト単位での書き換え可能
- 書き換え回数に制限あり(約10万〜100万回)
- 設定データの保存などに使用
身近な例: パソコンのBIOS設定、マイコンのプログラム保存、ICカードなどに使われています。
💾 フラッシュメモリ
特徴:
- EEPROMの一種
- ブロック単位での高速消去・書き込み
- 大容量化が容易
- USBメモリ、SSD、SDカードに使用
注意: フラッシュメモリも書き換え回数に制限があります。そのため、SSDには寿命があります。
📊 メモリ比較表
メモリ種類 |
揮発性 |
書き込み |
速度 |
価格 |
主な用途 |
構成要素 |
SRAM |
揮発性 |
読み書き可 |
非常に高速 |
高価 |
キャッシュメモリ |
6トランジスタ/bit |
DRAM |
揮発性 |
読み書き可 |
高速 |
安価 |
メインメモリ |
1トランジスタ+1キャパシタ/bit |
マスクROM |
不揮発性 |
読み出しのみ |
高速 |
非常に安価 |
大量生産品 |
配線パターン |
PROM |
不揮発性 |
1回のみ書き込み可 |
高速 |
安価 |
小ロット生産 |
ヒューズ |
EPROM |
不揮発性 |
紫外線消去後書き込み可 |
中速 |
中価格 |
開発用(旧式) |
フローティングゲート |
EEPROM |
不揮発性 |
電気的消去・書き込み可 |
中速 |
高価 |
設定データ保存 |
フローティングゲート |
フラッシュメモリ |
不揮発性 |
ブロック単位で書き換え可 |
中〜高速 |
中価格 |
ストレージ |
フローティングゲート |
🎯 試験対策 - 重要ポイント
💪 これだけは覚えよう!
- SRAM vs DRAM:リフレッシュの要・不要が最大の違い
- ROMの配線記憶:マスクROMは配線パターンで0と1を記憶
- EEPROM:電気的に消去・書き込み可能なROM
- 揮発性・不揮発性:RAMは揮発性、ROMは不揮発性
- 用途の違い:SRAM(キャッシュ)、DRAM(メイン)、ROM(永続保存)
暗記のコツ:
- S-RAM = Static = 静止 = リフレッシュ不要
- D-RAM = Dynamic = 動的 = リフレッシュ必要
- E-EPROM = Electrically Erasable = 電気で消せる
❓ よくある質問
Q1: なぜDRAMはリフレッシュが必要なの?
A: DRAMはキャパシタ(コンデンサ)に電荷を蓄えてデータを記憶しています。しかし、キャパシタは時間が経つと電荷が漏れてしまうため、定期的に電荷を補充(リフレッシュ)する必要があります。
Q2: ROMなのに書き込みできるEEPROMって矛盾してない?
A: 確かに矛盾しているように見えますが、これは歴史的な理由です。最初はRead Only(読み出し専用)でしたが、技術の発展により書き換え可能になっても、ROM系列として分類されています。
Q3: フラッシュメモリとEEPROMの違いは?
A: 主な違いは消去単位です。EEPROMはバイト単位、フラッシュメモリはブロック単位で消去します。フラッシュメモリの方が大容量化しやすく、現在の主流です。