µ-law 圧縮とは？

µ-law 圧縮（μ-law companding）は、音声信号のダイナミックレンジを圧縮する非線形処理の一種です。 主に音声通信（電話など）で使われており、特に小さい振幅の信号をより大きく扱うことで、ノイズに強くなります。

µ-law 圧縮の数式

µ-law 圧縮は次のような関数で表されます：

\[ F(x) = \operatorname{sgn}(x) \cdot \frac{\ln(1 + \mu |x|)}{\ln(1 + \mu)} \]

この関数において：

• x: 入力信号（-1 〜 +1 の範囲）
• µ: 圧縮率を決める定数（通常 255）
• F(x): 圧縮後の信号

この関数は、小さな入力信号（|x|が小さい）を相対的に大きくし、大きな信号（|x|が大きい）を緩やかに変換することで、ノイズに対する耐性を高めます。

µ の値ごとの比較

以下の図は、µ = 10、50、255 のそれぞれでの圧縮関数 F(x) を描いたものです。

インタラクティブ：µ の値による変化

下のスライダーを動かすことで、µ の値を変更し、対応する µ-law 圧縮曲線と、sin波に対する入力・出力信号の変化を視覚的に観察できます。