⚡ 第2章:電磁界の表現

🎯 この章で覚えること

マクスウェルの方程式を理解して、電磁界がどのように表現されるかを学ぼう!
この章は電磁波工学の心臓部です。

🔬 電磁界って何?

電界(E)と磁界(H)が組み合わさったものが電磁界です。これらは互いに影響し合って、電磁波として空間を伝わります。

💡 身近な例
• 電界:下敷きで髪の毛を逆立てる静電気
• 磁界:磁石がクリップを引き寄せる力
• 電磁界:携帯電話の電波、WiFi、光など

📜 マクスウェルの方程式

電磁界の振る舞いを記述する4つの基本方程式です。これが電磁波工学のすべての基礎になります。

マクスウェル方程式の物理的意味 +Q 1. ガウスの法則(電界) 電荷から電界が湧き出る N S 2. ガウスの法則(磁界) 磁界は閉じたループを作る 変化する磁束 3. ファラデーの法則 変化する磁界→電界 変化する電束 4. アンペアの法則 変化する電界→磁界 電磁波が生まれる仕組み: 変化する電界 → 磁界 → 電界 → 磁界... (相互誘導により波として伝播)

🔥 マクスウェルの4つの方程式

1. ガウスの法則(電界)

積分形: $\oint \vec{D} \cdot d\vec{S} = Q$
微分形: $\nabla \cdot \vec{D} = \rho$

意味:電荷があると、そこから電界が湧き出る

2. ガウスの法則(磁界)

積分形: $\oint \vec{B} \cdot d\vec{S} = 0$
微分形: $\nabla \cdot \vec{B} = 0$

意味:磁気の単極子は存在しない(磁石にはN極とS極が必ずある)

3. ファラデーの法則

積分形: $\oint \vec{E} \cdot d\vec{l} = -\frac{\partial}{\partial t} \int \vec{B} \cdot d\vec{S}$
微分形: $\nabla \times \vec{E} = -\frac{\partial \vec{B}}{\partial t}$

意味:磁界が変化すると電界が発生する

4. アンペアの法則(修正版)

積分形: $\oint \vec{H} \cdot d\vec{l} = I + \frac{\partial}{\partial t} \int \vec{D} \cdot d\vec{S}$
微分形: $\nabla \times \vec{H} = \vec{J} + \frac{\partial \vec{D}}{\partial t}$

意味:電流や電界の変化で磁界が発生する

⚠️ 記号の説明

  • $\vec{E}$:電界強度 [V/m]
  • $\vec{D}$:電束密度 [C/m²]
  • $\vec{H}$:磁界強度 [A/m]
  • $\vec{B}$:磁束密度 [T] (テスラ)
  • $\vec{J}$:電流密度 [A/m²]
  • $\rho$:電荷密度 [C/m³]

🔄 積分形と微分形の違い

積分形(大局的な見方)

ある範囲全体での現象を表す。実際の計算や物理的イメージがしやすい。

微分形(局所的な見方)

ある一点での現象を表す。数学的に扱いやすく、方程式を解くのに便利。

💡 テスト対策
積分形は物理的意味を問われることが多く、微分形は計算問題で使います。
両方とも覚えておきましょう!

🌈 電磁界の現象

1. 反射(Reflection)

電磁波が境界面で跳ね返る現象。鏡で光が反射するのと同じです。

2. 屈折(Refraction)

電磁波が異なる媒質に入るときに進行方向が変わる現象。水中の物体が曲がって見えるのがこれです。

3. 散乱(Scattering)

電磁波が小さな物体に当たってあらゆる方向に散らばる現象。空が青く見えるのは散乱のためです。

4. 吸収(Absorption)

電磁波のエネルギーが物質に吸収されて熱に変わる現象。電子レンジで食べ物が温まるのがこれです。

🔬 有名な実験

ニュートンリング

薄い空気層による光の干渉で生じる同心円状の縞模様。波の性質(干渉)を示す実験です。

ヤングの実験(二重スリット実験)

光の波動性を証明した有名な実験。2つのスリットを通った光が干渉縞を作ります。

🔥 テストで狙われるポイント

  • マクスウェル方程式の4つの式(積分形・微分形)
  • 各方程式の物理的意味
  • 電磁界の現象(反射・屈折・散乱・吸収)
  • 記号の意味と単位
  • ニュートンリング・ヤングの実験の概要
🎯 暗記のコツ
マクスウェル方程式は物理的意味を理解してから式を覚えよう!
「なぜそうなるのか」を考えることが大切です。